夢見る青年(老人)でいたいもの

円柱のように囲まれた壁面。そこにから手すりがない螺旋階段とそれにつながる無表情な入り口。
深夜12時18分。何者かが耳元でささやき、その階段へあなたをいざないます。
あなたは黒のジャケットとパンツのセットアップに山高帽を被っています。
おや、中に来ているTシャツに合わせて足元はスニーカーですね。
それにしても身軽な。携帯も手帳も、財布さえも持たずにあなたは階段を上っている。
唯一、あるのは手の中の鍵だけ。
その鍵は階段を登りきったところにあるドアを開けるためのものですか。
急ぎ足でもなく噛みしめるのでもなく淡々と階段を登り、さあ、あなたは今ドアの前に。
鍵を見つめるあなた。その視線は鍵だけに注がれドアを見ようともしない。
次の行動に出ないままそこに立ち尽くすあなた….。
この器でウイスキーを飲みながらそんな夢想をしていたら1時近くになってました。
器の作家は新井尋詞さん(益子)面白いですよね。夢を見ているような器です。
さて寢らねば。この夢想の続きは夢の中で。